愛 燦々と


家を持てば家にこだわり、会社に就職すれば会社にこだわり、ある地位につけば、その地位にこだわる。 


いい学校、いい就職先に、いい立場にと。 そして築きあげてきたものを崩したくはないと。 


仮の宿の人命の何と短く そして理想の何と多いことか。 


必然なる力と、人力を超えた或るものの力があるとすれば、その両方の力によって人は生かされている。


そんなことを思いながら8月9日を過ごしていた。 まだ広島も長崎も行ったことがない。


「雨 潸々と この身に落ちて わずかばかりの運の悪さを 恨んだりして 人は哀しいものですね。」


「それでも過去達は 優しく睫毛に憩う人生って 不思議なものですね。」


「風 散々と この身に荒れて 思いどおりにならない夢を 失くしたりして 人はかよわいものですね。」


「それでも未来達は 人待ち顔して微笑む 人生って 嬉しいものですね。」 


「愛 燦々と この身に降って 心秘そかな嬉し涙を 流したりして 人はかわいいものですね。」


「ああ 過去達は 優しく睫毛に憩う 人生って 不思議なものですね。」


30歳の銀行員の神田紘爾さんに聞いてみたい。 「12年後のあなたを観てみないか?」って。


「過去達は 優しく睫毛に憩う。」 「愛 燦々と この身に降る」 って思っていた銀行員がいたなんて。 


凄い。 ただただ、こんな言葉が湧いてきたなんて、そのことが凄い。 


わずかばかりの運の悪さをいつも恨んできたものだから。 その言葉に圧倒されてしまう。


もう一日寝て、目が覚めたら夏山の頂きに向かう。 


出来れば銀河が天に横たわる姿を観たい。 


露が澪ちた夜の静寂の中に佇んでみたい。 


雨 潸々と この身に落ちる不思議な人生を 天に任せてみようと思う。 


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