自由でいること


「両親はとっくの昔に他界しました。 夫の両親もなくなり、夫や私の兄弟もみんないなくなってしまいました。  残された


のは私だけです。  私一人がこの世に残されている。  95歳まで長生きするということは、そういうことなんです」 


これは生活評論家の吉沢久子さんの言葉。  小さな一軒屋の一人で暮らしてらっしゃる方です。 32歳で結婚し


50歳で義母が認知症を患い、ご主人が亡くなったのは65歳のころ。  一人になられてから30年が過ぎていました。


世の中の30歳~50歳台の人には自由は羨ましいものです。 そしていつになったら自由な時間が取れるんだろうと思うのも


当然です。 しかし実際に自由になった後の自分の老後をどう過ごすのかは考えておかねばならないように思います。 


誰とも会わない寂しい時間を過ごすのか。 人とかかわって生きて行くのか? 


30歳台からの20年はあっという間の出来事。 ということはその先の老後は遠い先のことではないということ?


子供に手がかかり、寝て起きたら子供のことばかり。 世の中景気も悪く、旦那のボーナスも減る一方。 挙句にリストラ


などされた日にや返す言葉もない。 自分の人生、ウンザリするようなことばかり。 なんて思っているのは幸福な


時間だと後で気づくかもしれません。 いずれ親の認知症、義父、義母の認知症に出くわし、そしていつもケンカばかり


していた伴侶に先立たれたとしたら、今のこの忙しない一時が如何に貴重な時間か、かみしめられるはず。


人生で一番幸福で輝いてる真っただ中。 そんな幸福な人生を今、自分は歩んでいる。 しかし、すぐ傍で子供の寝姿


を懐かしむ年老いた自分もいるとする。 ならば、バカなことをした子供を許して、そしてケンカした伴侶も許したい。 


世の中の出来事全てを受け入れるのもいい。  「今、全てを許して精一杯生きてはどうか」と95歳の吉沢さんは言ってる


ようでもあり、また「ひとりの自由さ」の裏には「いつかは一人になる覚悟が必要だ」と言ってるように思えるのです。


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