抵当権


6月18日付けの日経ビジネスに「早期退職の経済学」という特集がありました。もう3ヶ月も前のことですが大手企業が


続々とリストラをする現実を見ると他人事ではありません。6月の記事で一番重症だったのはNEC、次いでパナソニック


そしてソニー、リコー、日立電線。プリンスホテル、メガネスーパー、近鉄百貨店など。今では、そこにシャープが


入ります。シャープは阿倍野の本社ビル・土地、亀山工場の土地と建物、そしてパイオニアの3千万株=時価64億円


に根抵当権が設定されていたという記事もありました。あのシャープが、ここまで来たかという思いです。これらの


大手企業には下請け業者が数知れず存在しますが、そこへの発注も激減しているので既に倒産してる会社は少なく


ありません。日経ビジネスの特集では、日本の雇用者総数4918万人のうち約10%の465万人が実は社内失業者


であると言うのです。その中で早期退職したい人は1.2%だけ。だんだん暗くなるような話です。しかしこれが今の


日本の現実です。その中でお父さんたちは皆さん頑張ってます。世の中にはアーリーリタイヤ(早期引退)を選択する


人もいるでしょう。働かないで好き勝手するなんてうらやましい限りですが、45歳から働かずに人並みの生活を送って


80歳まで生きるとすると約1億500万円が必要です。これは1ヶ月25万円で生活したとする場合です。年金が出れば


7800万円。しかし住宅ローンや教育費が必要なので、やはり約1億円は必要なのです。これはご主人だけの問題


ではありません。結婚式で「幸せにするよ」と約束したのであれば、その約束を果たさねばなりません。降格、出向、


転勤、転職、異動、自宅待機、窓際など、あらゆる試練を乗り越えねばならない世間のお父様方。頑張るしかありません。


結婚する時に言った奥様への約束は忘れてはなりませんから。 では 一体どうすればいいのでしょうか? 


収入が減るのであれば、それ以上に支出を抑えること。家も変わる覚悟は当たり前。車売却も当たり前。何をどれくらい


減らせば貯金が出来るのか考えねばなりません。勇気を持って処分し復活に掛ける。そしてその復活の時をじっと待つ


力強さが心にあればいつでも太陽は輝いてくれることでしょう。私はそう信じたい。 ところが弱気になって、見栄を


張って生きていくと、ぬかるみに嵌ったように這い上ることは難しくなるように思えます。まるでぬかるみの世界です。 


昔、太閤秀吉に使えていた商人に長年使えてくれた褒美に何かを上げるから好きなものを言いなさいと聞かれて


答えた言葉を思い出します。その商人、そろり新佐衛門は「これから1ヶ月間、毎日毎日太閤様のところに来ます。


そしたら前の日の倍のお金を下さい。今日はその最初なので1文、いただきとう御座います。」と言ったそうです。


秀吉もバカではありませんから早速、暗算して、256文までは勘定したようですが、たとえ30日間来たところで


大阪城には余るほどの小判があると鼻で笑って、その日は商人を帰したようです。翌日、そしてその次の日も、そのまた


次も秀吉は、澄ました顔で「こんなものでいいのかい?」と言いながらお金を渡されたそうです。でもそれで良かった


のでしょうか? これは物理学の「はずみの原理曲線」と同じです。それは徐々に力を蓄えると、ある瞬間からその力は


巨大なものとなって発生すると言うものです。グラフ上に30日の目盛りを横軸に書いて縦軸に1文からの数字を書いて


行って前の日の倍、その倍というように書いていくと30日目の点がどこに来るでしょうか。28日目あたりからほぼ直角


に近いカーブが立ち上がり29日目、30日目は、用紙からはみ出てしまうかも知れません。このはずみの原理曲線の


ことを大阪の商人が知っていたかはわかりませんが、秀吉は最後に手をついて謝って約束を反故にしてもらったよう


です。このはずみの原理は潜在能力出現の原理と同じであるとも言われてます。コツコツ、コツコツ何かに集中して


行くと隠れていた自分の能力が出現するのと同じです。人生、生きているといろんなことがあります。しかしそれぞれに


正面から立ち向かって対処したら、あとは自分の人生を謳歌してみては如何でしょうか? 人生が長くなった今を


どう生きるかは自分次第です。自分自身のペースで自分の人生をコツコツ歩むことが出来るのであれば途中で終わっても


かまいません。潜在能力が100%出なくてもいいではないですか? 人生は旅なのですから。私たちは、もっと自分


らしい変わり者の人生を歩むことが出来るはずです。旅は、その途中が楽しいのです。貸しボート型の人生で後ろを


振り返りながら「あの時は良かったね、あそこが楽しかったね」と生きるのも人生ですが、モーターボートに乗って


常に前を向いて生きるのも人生。自由にコースを選び、人は人、自分は自分の人生を歩んで行くと決めて年を


取っていく人生もいい。今はそんな人生観が問われる時代になって来たようです。「もう40歳だから、もう45歳だから」


というのでは自分の可能性が塞がれてしまう気がします。ならば「まだ40歳、まだ50歳」と思って可能性を信じた


方がいい。すると目の前がどんどん開けていく感覚と自分の潜在能力がいくらでも湧き出る感覚が人生を楽しくして


くれます。「まだまだ」、「まだまだ」と自分の死ぬ間際まで、自らの最も得意とすることへのあくなき挑戦を続けていく


のもいい。一度しかない人生を悔いなき人生にするのは自分自身なのです。そして人生、今日が始まりなのですから。 


シャープの抵当権の記事を眺めながら、こんな人生観を考えていました。


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