どん底


春を見つけた。


庭のあじさいに蕾が見えた。


春が来た。


夏が過ぎて、秋になったら、冬が来ていた。


そしてまた、春を見つけた。


ずっと同じことを繰り返してきた気がする。


でも去年の春より、庭のあじさいは大きくなっている。


1年生が6年生になり、2年生が中学1年生になる。


この5年間で子供達も大きく成長したようだ。


風邪を引いて熱を出して、怪我をしたり、泣いたり、笑ったりしながら大きくなった。


でも、せっかく医者になっても、医療報酬詐欺で逮捕された女医が居たり


進路指導の面談を廊下で行い、間違った調査資料を元に、1人の中学生の


人生を終えさせた女教師が居たり


そして陸前高田市で卒業式を待つ小学校6年生が居たり


自宅も職場も失い、家族を失い、どん底を味わった人が居る。


人生のどん底を味わった人と人生の快楽を謳歌した人が居る。


どっちが良かったんだろう?


これから先を見ると、どんな5年が良かったんだろう?


一体全体分からない事ばかりだ。


ただ間違ってない事がある。


それは人間、どん底を味わって初めてDNAが覚醒するという事だ。


大事なのはこの身体の細胞が記憶している100万年前のホモエレクトスからの


経験則を呼び覚ます事かもしれない。


この短い人生でそれが出来たら、そこから人生は変わるだろう。


ジャワ原人が北京原人に変化する過程で


ネアンデルタール人がホモサピエンスに変化して行く中で


それぞれが経験して来た飢餓や外敵から逃れて来た記憶が細胞の一つ一つに


深く刻まれているはずだ。


それを覚醒するきっかけが、どん底に落ちることだ。


せっかく受け継いだこの100万年の間の遺伝子を眠らせたままでは勿体無い。


DNAのスイッチを入れるのは自分自身だ。


さあ、スイッチをオフからオンに切り替えようじゃないか?


どん底に怯えてたまるか!


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